Hana No Uta

その日々は夢のように
臆病な微笑みと
優しい爪を
残していった

退屈な花びらのように
苦しみを忘れて
あなたの背中でそっと
泣いて笑った

帰らぬ日々を思うような
奇妙な愛しさに満ちた
箱庭の中で
息をひそめ

季節が行くことを忘れ
静かな水底のような
時間にいた

冷たい花びら
夜に散りさく
まるで白い雪のようだね
切なく
あなたの上に降った
悲しみをすべて
払いのけてあげたいだけ

あなたのこと傷つける者すべて
私はきっと許すことはできない
優しい日々
涙が出るほど
帰りたい
あなたと二人で
見上げた
花びらが散った

月が雲に隠れて
あなたは道をなくして
泣き出しそうな
目をしてた

ギザギザな心だって
二つ合わせてみれば
優しいものがきっと
生まれてくるわ

私を傷つけるものを
あなたは許さないでくれた
それだけでいいの

戯れに伸ばされた
あなたの手にしがみついた
諦めていた世界に
やがて暖かな日が灯る

冷たい花びら
夜を切り裂く
私がつんだ光をみんな束ねて
あなたの上に全部
喜びのように
まき散らしてあげたいだけ

悪いことをしたらきっとあなたが
怒ってくれると約束したよね
だからきっともう一度
私を見つけてくれるよね
寂しいところに
もういなくていいね
ひとりで
見上げた
花びらが散った