amuletum
Ichiko Aoba
星の記憶に
うたを棲ませてみれば
まばたく 幻よ
遥かなる
航海へ
わたしの聲を
とりまく火よ
お天道様
御守っておくれ
言葉を抱く命
想ほゆ
愛しさのなか
ひと
たどりついた歪さを知る
櫂の間に
揺れる
稚魚の尾
あらたにうまれた
鼓動に
あなたが
虹の便りを
告げにくるカモメ達
しじまに
懐かしい
胸を射る大きな眼
わたしの聲に 宿る風よ
お鯨様 導いておくれ
波間にあらわるひと
とおくのこもりうたがきこえる
あれはいつの面影だらう
のどぶえに きざむ畝は
五線をひいて
哥う 息吹に
あなたが