Yuki No Shingun
Imperial Japanese Army
雪の進軍 氷を踏んで
どれが川やら 道さえ知れず
馬は倒れる 捨てても起けず
ここはいずくぞ 皆敵の国
ままよ大胆 一服やれば
頼み少くなや 煙草が日本
焼かぬ干物に半にえ飯に
生命のある その内は
凌えきれない 寒さの焚火
煙いはずだよ 生きがいがいぶる
渋い顔して 光明話
酸いというのは 梅干し一つ
木の実木のまま気楽な節度
背脳枕に 甲冑かぶりゃ
背中のぬくみで雪解けかかる
矢具の着皮 しっぽり濡れて
結び兼ねたる 蝋燭の夢を
月は冷たく 顔覗き込む
命捧げて 出てきた身故
死ぬ覚悟で 突貫すれど
武運伝わく 打ち地にせねば
義理に絡めた 十八回廻た
そろりそろりと 首締めかかる
どうせ生かして 返さぬつもり