ペーパームーン (pēpāmūn)
Minuano
僕を忘れて 君は眠りにつく頃
夜更けの窓を開いて
次に来る朝を僕は待つ
月の灯りもない夜
街は沈み 君は遠く
言葉に変えても 君は黙って嘯く
瞬きひとつで変わってゆく
風の行方は気まぐれ
呼んでみたなら指をすり抜けて背を向く
フレームの中の小さな夜空に切なく染み込む
甘く円やかなペーパームーン
赤や青に描いた
届かない偽りの空
切りとり窓辺を飾って
セロファンの波に乗せて
つつがない言葉で結ぶ
この恋もまるで作りごと
フレームの中の小さな夜空にそっと浮かべた
甘く円やかなペーパームーン