swandivemori
Österreich
意味もなく死んだ
怪光の群れは
飛べないことなど
知らぬように
弾けていく観覧車から
逆様の君は
飛べぬことを
知らなかった
地球儀回した
ビルに跳ね返る
機械の酸化
愛を歌った
例えば僕が
ピアノを弾くなら
目を水に言うのさ
愛を歌うな
誰もそれに触れる間
観客たちの表情
歪むよ
映画は続いていく
また誰か殺して
観覧車動き出した
怖いものが
溢れているよ
どんな歯車回したんだ
緑革の窓が開けられて
魚と鳥を
選ぶ場面だ
そしてフィルムが止まった
僕は見た
愛を歌う
君を
オレンジ色を時計に
ファムファタールが振り上がって
泥に染まる
小指の先が
リューズに絡まり廻るらしい
巻き戻して
幾重重ねて
行き詰まりで
舞台の装置に
意味はないのさ
想像に侵されて
面影に焦がれて
痛みに生かされていく
怖いものに
抱きしめられて
どんな未来を期待したんだ
観覧車、ドアが開けられて
怪光の群れが
逃げる場面だ
愛を歌わないで
誰も触らないで
跳ねかえ眉染める君が
意味もなく続く映画の中で
愛を歌った