ミラージュ (Mirage)
Vicke Blanka
理由なんてひとつもなかった
悲しむことすら自由でないなら
行こうなってみよう
手なんか振りかざさなくていいから
ねえ君が孤独のままよりはいいだろう
何が悪いんだって言うんだ
君が悪いんだって言う
君が悪いんだって
今さらさらさらと宙に舞うよ
どこへ行くんだ
いつか君が別れ際に落とした
言葉が風に舞うよ
無意味じゃないんだ
今が全てなら
意味を打ち消した僕たちは
どうすりゃいいの
幻想なんだよ そんなもの
ただ君と迷っていたい
遠く明かりの方へ駆けていく
雨を待って トパーズ色の爪を研ぐ
持ったいぶるような 薄明るい旅の中
白金葉の
森が僕を今も隠してくれんだよ
守りたいものが多けりゃ多いほどに
人は弱いんだって言う
人は脆いんだって言う
当たり前なんだって
今さらさらさらと宙に舞うよ
錆びれたポスターみたいに
過去の地図を破り去るのも
悪くはないだろう
けれど気づいた
その道の先に煌めくのは
恐ろしや蜃気楼
雨嵐がやんだ頃
二人愛し合っていたい
生きる理由なんてそれだけで
本気で走れば
いつも逃げ切れてしまうよ
頑張ったねって
自分にはなまるあがってんだ
だから駄目なんだって思う
だから駄目なんだって思う
だからなんなんだって
その本気を
その勇気を見たいんだ
いつか君が別れ際に落とした
言葉が風に舞うよ
無意味じゃないんだ
今が全てなら
意味を打ち消した僕たちは
どうすりゃいいの
幻想なんだよ そんなもの
目を覚まさせられるたび
その鱗は強くなってくんだよ
僕ら引き裂けば引き裂くほど
深く引かれ合って結んでくように
遠く明かりの方へ駆けていく