Ta Ga Tame No Sekai
Akiko Shikata
森の海を漂うのは
売れたたえ揺れる小舟
さまよえる魂と
澄み渡る刹那の静寂
枝葉伝う時の雫
震え落ちる無垢な祈り
鏡に映るのが
追えぬ悲しみのはだとしても
誰もが傷つき痛みを背負って
誰かを傷つけひた走る
ひどく残酷な風が吹き荒れてもなお
譲れない想いその胸に秘めたまま
闇の砂丘流れつけば
瑠璃を帯びた琥珀の蝶
過ぎし日の言霊を
羽に乗せ漂うばかり
錆びて朽ちた鍵束でも
希望一瑠抱けるなら
守るべき宝物
愛しさが罪過に変わる前に
嘆きの扉をこじ開けて進め
ただための世界だとしても
強く儚く優しい真実と嘘と
裏切りと罪とその全て受け止めて
悲しき運命を生きる者よ
滅びの振り子に抗う者よ
いつかいつの日か仰ぐ空に
安らぎの音が響くように
矛盾の涙は銀の波飛沫
誰がための世界だとしても
遥か遠き日の夢の輪郭が今も
鮮やかなままでただここにあるから
誰もが傷つき痛みを背負って
誰かを傷つけひた走る
ひどく残酷な風が吹き荒れてもなお
譲れない想いその胸に秘めたまま